6月6日(土)14:00〜に行われた卒業生・戸山くんの保護者の方による特別講演会の内容をまとめました。
講演会には多くの方がご参加してくださり、大変盛況となりました。
ぜひご一読ください。
講演内容
子どもが自分の人生を自分で考え、選び、歩んでいくために、家庭で大切にしてきたことをお話しいただきました。子育ての軸は、学力だけではなく、どんな環境でも前に進める「生き抜く力」と、自分で考えて決める「選択できる力」を育てることでした。
1. はじめに
子どもの人生は子どものものであり、自身が考え、決めていくもの。そんな考えを薄っすらと軸に、子育てをしてきました。
親として自信があったわけではなく、今できる精一杯をやるしかない、という気持ちだったように思います。親の役割は、材料を渡し、挑戦の機会をつくり、道から大きく外れそうになった時に「そっちではないよ」と手を握ること。
でも、最後に決めるのは本人であるように仕向けてきたのかもしれません。
2. 赤ちゃんの頃から大切にしていたこと
毎日たくさん笑わせることを意識していました。絵本や素話も毎晩の日課にしていました。
また、なるべく体によいものを食べること、食べることを好きになること、たくさん食べること、早寝早起き、たくさん遊ぶこと、たくさん寝ることを大切にしていました。
勉強より前に、どんな環境・状況においても生き抜ける体とすべを身につけてほしいと考えていました。
3. 選ばせる子育て
1歳ごろから、服、遊び、食べ物、習い事などを本人に選ばせていました。自分で考え、自分で決めさせることで、途中で辞めることができなくなるからです。
自分で決めたことは最後までやり抜く、ということとセットで考えていました。ただし、何でも自由ではなく、親なりに考えた選択肢を用意し、その中から本人に選んでもらいました。
選択を任されることは「あなたを信じています」というメッセージになると考えていたからです。
4. 自立のための習慣
身支度、学校の準備、旅行の支度、持ち物管理、家事の手伝いなど、自分でできることは自分でやることを基本にしました。
親がやった方が早い場面もありますが、自立の練習になると考えていました。また、共働きでもあったため、子どもにやってもらうことで大いに助かりました。
5. 失敗を経験させる
壊す、こぼす、忘れ物、転ぶ、怒られるなどの失敗も、意識的に経験させていました。絶対に失敗するとわかっていても、あえて言わないこともありました。
子どものうちの失敗は大したことではありません。失敗の経験ほど、あらゆる能力を高めるものは他にないと考えていました。「失敗は成功のもと」です。
6. ゲームより実体験
ゲームは9歳まで買いませんでした。息子からは「みんな持っているのに!」という猛抗議がありましたが、脳に悪い影響があるという話をして、断固として受け付けませんでした。
その代わり、川や海遊び、山登り、虫取り、動植物の世話、工作、博物館、美術館、音楽コンサートなど、本物の実体験を重視しました。
紙でテレビゲームを作り、攻略本を読みながら遊んでいた時は少しかわいそうかなと思いましたが、この方がよほど脳を使っていると感じ、これでよいのだと再認識しました。
ただし、絶対にだめというわけではありません。祖父母と会った時は買い物先のゲームコーナーでUFOキャッチャーなどを楽しみ、友人宅ではゲームもしていました。だからといって仲間外れになっていたわけではなく、境川へ魚を取りに行こうと友達を誘って出かけていました。
7. 自分で決めたことは最後までやる
中学の時に塾を辞めたいと言ったこともありますが、すぐに却下しました。自分が橋研を選んだのだから、最後までやりなさいと伝えたように記憶しています。
自分で選んだことには責任を持ち、最後までやり抜くという姿勢を大切にしていました。
8. 自分で解決する力
中学3年生で、日本の高校かタイのインターナショナルスクールかを選ぶ際には、まず実際に経験してから判断してほしいと考え、サマースクールに参加してもらいました。当時は英語が苦手で、話すこともほとんどできない状態でした。
実際に参加してみると、日本とはまったく違うインターナショナルスクールの様子を、目を輝かせながら話してくれました。日本のように先生が色々と教えてくれたり助けてくれたりしないことが、新鮮だったようです。
サマースクール後にインターへ行くことを決め、入学試験を受けました。校長先生からは「過去最低得点です。本来入学させられない」と言われ、親子で大笑いしました。一年後にELLクラスを出ることを条件に入学を許可されましたが、半年後にはメインストリームクラスに上がり、驚きました。
中学3年生から過ごしたタイのインターナショナルスクールでは寮生活を送り、大学のAIUでも寮生活でした。思春期に同年代の仲間と生活し、自分自身と向き合う時間をたっぷり持てたことは、大きな財産になったと思います。
高校生の時には、タイでパスポートを紛失しました。父親は「まず自分で何とかしてみなさい」と伝え、本人は周囲に助けを求めながら警察へ行き、無事に解決しました。
困った時に周囲に助けを求めながら、自分で解決していく経験が、自立につながっていったのだと思います。
9. 父親が伝えていたこと
子どもも一人の人間であり、親も一人の人間です。親は完璧でもなければ、いつも正しいわけでもありません。だからこそ、親以外の大人とも関わり、多様な価値観に触れてほしいと思っていました。
父親は高い授業料にもかかわらず「勉強しろ」などとは言わず、「君のミッションは友達をたくさん作ることだ」「人生は思ったほど長くない」「やりたいことはどんどんやれ」「本気を出すチャンスは人生に数回しかない」「そのチャンスを見極めなさい」など、社会の先輩としての言葉を繰り返し伝えていました。
印象に残っているのは、息子が高価なものを欲しがった時に「ではプレゼンして」と言ったことや、小さい頃におもちゃかグローブか何かを欲しがった時に「君の好きなガリガリ君が何個買える?」と聞いていたことです。
このような社会的視点で話をしてくれることを尊敬していました。父親というより、社長に相談するような感覚になっていたように思います。10歳くらいからは、父親に相談することがよかったのだと思います。
10. 橋研への感謝
塾長先生、チーフ先生、スタッフの先生方には心から感謝しています。勉強が苦手な息子にも「挨拶がきちんとできれば大丈夫ですよ」と声をかけてくださったこと、英語ができない状態でインターへ進学する際も「それは素晴らしいことです」と背中を押してくださったことは忘れられません。
私たち親も相談に乗っていただき、大変支えていただきました。タイのインターナショナルスクールを、英語のできない私たちに代わって丁寧に調べてくださったこと、そしてその学校に入学できたことが、彼の人生の最大のターニングポイントになりました。
11. まとめ
私たちが育てたかったのは、勉強ができる子ではありません。この広く素晴らしい世界に生まれてきたこと、生かしてもらっていることを感じながら、自分の足で立ち、人と関わり、助けてもらい、誰かを助け、感謝の気持ちを持ちながら、「ああ、幸せだなぁ、楽しいなぁ」と思える人です。
そして、自分で考え、自分で選び、自分の人生を歩いていける人です。そのために私たちなりに大切にしてきたことが、「生き抜く力」と「選択できる力」を育てることだったと思います。
親にできることは少なく、子どもを信じ抜くこと、最大の応援団でいることで十分なはずです。オックスフォードで学んだ後、それを何のために、誰のために、どのように活用していくのかを、今度息子に聞いてみたいと思っています。
参加者の感想
16歳男子
一般の日本人とは少し離れた人生を送ってはいるけど、その分他の人にできないような経験をしていて、それがその後の人生においての大切な武器になっていると分かった。
52歳母
本日はありがとうございました。大変参考になりました。子供へのかかわり方、先回りして失敗を回避させることを子供に対して、してはいけないんだなと実感しました。子育てに関して考え方に関してとても勉強になりました。ありがとうございました!
53歳父
目標に向けてコツコツと、、、とても印象的でした。
16歳男子
とても勉強のモチベーションになりました。ありがとうございました。医学部に向けて頑張ろうと思います。
54歳父
私も親として非常に耳の痛く、また共感できる貴重なお話が聞けて大変参考になりました。またお父様が高い目標を設定してその過程を見守るという姿勢を取り入れたいと思いました。最後に塾長から「メタ認知」というキーワードを教えて頂いたので子供にも伝え共有したいと思いました。本日は貴重なお話、機会をありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。
16歳男子
自分の友達にも留学して英語力が伸びたという人がいましたがこれに近いものを感じました。留学はなんかすごいものと感じていましたが、どちらも「やりたい!」「何かをしたい!」という気持ちが強いものなのかなと思いました。
「コツコツやる」この言葉にすごい刺さりました。ぼくもピアノをこれをもとにやっているので勉強でもこれを実践できるようにしたいなと思いました。
47歳父
貴重なお話をありがとうございました。目標を決めてコツコツできるよう親子ともども話して実行できるようしたいと思いました。どうすればできるか次回教えて頂きたいです。
51歳母
親の子供への接し方について、子供も一人の人間であり、尊重し信じて見守ること、お話を聞けて本当に感謝します。有り難うございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
45歳父
貴重なお話をありがとうございました。
16歳女子
貴重なお話を聞くことができて良かったです。ありがとうございました。
48歳母
今日はいろいろとお話が聞けてありがとうございました。毎日息子とのことで悩み、夜も寝られないことがありますが、本人を信じてこれから見守りながら上手に導いていければと思います。